テルミニ駅近くにある、共和国広場の中央には、優麗な泉があります。
Vino&Ninoのお気に入りトップ3に入る「ナイアディの泉」(Fontana delle Naiadi)です。
いわゆる、20世紀の泉と呼ばれる部類のモニュメントとしては比較的新しい泉です。
私が比較的新しい、この泉がそれでも優麗だと称するのは、歴史や背景、所以など一切を除外して、見事に景色に溶け込み、噴水の吐き出される高さ、モニュメントの大きさ、泉がこの広場に与える視覚的印象、全てにおいて、素晴らしくバランスの取れている泉だと思うからです。
加えて、この広場の特徴でもある、サークル上の地形的要素に置かれてなおも死角がないその完成度にも驚きです。
この噴水の歴史は、イタリア統一という、時代が移り変わるまさにその渦中の舞台を生きてきました。
もともと、この泉の前身はローマ水道の中でも有名な、古代水道の一本であるマルチア水道(泉制作当時はすでにピア水道と呼ばれていたもの)のモストラ(水道の末端に作られる記念碑的泉)として、時の法王ピオ9世によって、現在のテルミニ駅があるチンクエチェント広場(piazza dei Cinquecento)に1870年9月に作られたものでした。
その当時の泉は、何の飾り気もなく、ただ大きな水盤があり、中央から太い水柱が噴出し水盤を取り巻く小さな吹き出し口から細い水筋が立ち上がるというものでした。
モストラが完成してすぐに、ローマはイタリア軍に攻め込まれ、イタリア統一がなされ、1888年に泉は現在の場所に移されました。
1888年ドイツ皇帝ヴィルヘルムが訪れた時、泉の四隅にはエジプト風の漆喰で出来たライオン像が配置されましたが、これは仮の設置でした。
政府は、この泉を新しい国家の始まりとすべく、1897年にコンクールを開きました。
そのコンクールでパレルモ出身の彫刻家マリオ・ルテッリは勝利を収め、泉に飾る彫刻の制作にかかりました。そして1900年末、彼はパレルモで制作した像をローマに運び込みました。設置作業は1901年の2月までかかりました。
泉の名前である、naiadiとはnaiadeの複数形で、ギリシャ神話のナイアス(川や泉に住む、美しい少女の姿をした水の精霊)をあらわします。
この泉のナイアス達はそれぞれ泉の外輪に配置され、白鳥をつかんでいるのが「湖の妖精」、川の象徴である魚を完全に制圧し、優美に横たわる「川の妖精」、海馬の背に乗る「大洋の妖精」、竜の上に立つ「地下水の妖精」です。
1901年、この泉の公開には物議がかもし出されました。
この全裸で扇情的な妖精たちは市議会の議員達を困惑させたのです。
設置当初、この市議会で公開すべきか否かの論争が繰り広げられている間、ニンフ達には布がかけられていたのですが、ある日、町の祭りに参加していた市民達が市議会を騒がせているのがどの様な像なのか見たいということで、この布を剥ぎ取ってしまい、あっけなく問題視されていたニンフ達は市民達に受け入れられ、事実上公開となったのです(^^ゞ


その後、ルテッリは中央部分に3体のトリトンと1体のイルカ、1体のタコを組み合わせた群像の中、一人のトリトーンがイルカを両腕で抱え上げ、そのイルカの口から水が吹き出るという像を漆喰で作ったのですが、市民から非常に悪評を得ました。
人々はこの像を「ミックスフライ」と呼んだのです(≧▼≦;)
ルテッリは早々に作り直し、1911年に海神「グラウコス」が暴れるイルカを両腕で抱きかかえて圧する姿を表現しました。
このグラウコスはその圧倒的躍動感でローマっ子達を魅了しました。
(私もですが(^^ゞ)
グラウコスの制作前に作られた通称ミックスフライは、今もヴィットリオ広場に置かれているので好奇心のある方はどうぞ。┐(~ー~;)┌
















